パン酵母のつくり方
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あずまくん
パン酵母はどうやってつくられているの?
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こうぼんぬ
(私たちは自然由来の生き物だから、)
つくられるというよりも、たっぷりの栄養で増やしてもらう、というのが正しいかな。
酵母の利用
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あずまくん
パン酵母って、パンづくりのほかにも使い道がある?
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こうぼんぬ
健康機能食品や、バイオ分野でも活躍しているのよ!
酵母の利用

酵母は、その種類によって、食品・飼料・バイオといったさまざまな分野に利用されています。また、酵母に含まれる成分を抽出して有効利用する研究も各方面で進んでいます。
オリエンタル酵母は、長年培った高度な技術とノウハウを活かし、パン酵母を中心とした多彩な酵母製品を開発・提供しています。
パン酵母のつくり方
パン酵母の製造工程は、一般的な食品製造とはかなり異なり、「培養」が中心です。培養とは、パン酵母が繁殖するのに適した温度や栄養分、酸素などの環境を整え、効率良く増やすこと。つまり、パン酵母を製造することは、パン酵母の生命活動を人の手で助けることだといえます。
【種菌の培養】
自然界に存在するさまざまな酵母のうち、パンづくりに最も適した良質な酵母を種菌に用います。この種菌を試験管やフラスコ内で培養し、ある程度増やします。後の培養工程で大きな培養タンクへ移し、さらに増やしていきます。
【原料調製】
さとうきびから採れる糖蜜を、加熱殺菌処理した後にパン酵母の増殖に適した濃度に調製し、培養液をつくります。糖蜜はパン酵母の主原料といわれますが、厳密にいうと糖蜜は、製品の原料というよりもパン酵母を培養するための栄養分にあたります。
【培養】
パン酵母が活性化する温度、pHの環境に整えた大型タンクで種菌を本格的に増やします。タンク内に酸素と培養液を送り込み続けることで、種菌は10時間で10倍以上にも増殖します。100~200m3のタンクで、一度に10~20トンものパン酵母を得ることができます。
【遠心分離】
増殖したパン酵母を遠心分離機にかけ、培養液から分離します。さらに、取り出したパン酵母を何度も水洗いして不純物を取り除き、クリーム状にします。
【脱水】
クリーム状にしたパン酵母を脱水機に入れ、水分を取り除きます。
【排水浄化処理】
培養と遠心分離、脱水の工程で生じる培養液などの排水は、浄化設備できれいにします。
【成型・包装】
脱水後のパン酵母を成型機にかけ、1個を500gに成型して包装します。
【ドライイースト】
脱水後のパン酵母を乾燥させて顆粒状にすると、ドライイーストになります。
【出荷】
包装したパン酵母を冷蔵庫で冷やし、パン酵母が活動しない5℃以下の状態を保って出荷します。