イースト研究室 01 イーストって何?

イーストとは何か

  • こうぼんぬ

    じゃあ、まず質問! イーストって何?

  • あずまくん

    えっ? パンづくりにいつも使っているけど、何かって聞かれるとわかんないなあ。

  • こうぼんぬ

    そうだよね。実はイーストって、生きているのよ!

酵母は「生き物」!?

製品の外見からは想像できないでしょうが、イーストとは「酵母(Yeast)」という生き物(微生物)です。
自然界にある多種多様な菌のうち、製パンに最も適したもの(酵母)を果実や穀類などから分離して、純粋培養で増やしたものをパン酵母と呼んでいます。

パン酵母は、1個の細胞からなるとても小さな生き物です。その直径は4~12マイクロメートル、短径は3~7マイクロメートル。米粒の800分の1という小ささで、肉眼では確認できませんが、顕微鏡で見るときれいな円形や卵形をしています。製品になっているパン酵母の白いかたまりの中には、1グラムあたり100億個もの生きたパン酵母が含まれています。

発酵とは何か

  • あずまくん

    製品に含まれるって…どうやって生きているの?

  • こうぼんぬ

    パン酵母の成分は、約70%が水分、残る約30%がたんぱく質や炭水化物、脂質などであり、酵母の生命維持に必要なものがすべて含まれているのです。

パン酵母の成分

  • こうぼんぬ

    出芽という方法で、私たちは仲間を増やすの。

繁殖~パン酵母の生命活動~

パン酵母は、からだの表面から糖などの栄養を摂って生きています。周りに酸素があるときは呼吸をし、繁殖して子孫を増やします。
パン酵母の繁殖方法は「出芽」と呼ばれるものです。母細胞から娘細胞が芽を出し、これが膨らむように育って新しい細胞となり、分離することで増えていきます。

  • こうぼんぬ

    発酵の仕組みはね…。

発酵~パン酵母の生命活動~

パン生地の中など、周りに酸素が足りない環境では繁殖をやめ、糖をアルコールと炭酸ガスに分解してエネルギーをつくり出すことで生命を維持します。
この活動が「発酵」と呼ばれるもので、パン酵母が放出した炭酸ガスがパン生地を膨らませます。
繁殖・発酵ともに、パン酵母が最も活発に活動する温度は30℃前後です。

  • あずまくん

    炭酸ガスでパン生地が膨らむんだね!