かんすいQ&A

日本のラーメンの麺に欠かせない素材「かんすい」をご存知ですか?

言葉は聞くけれど「かんすい」が何なのかを知らない。
麺に入れると、どうして食感や香りが変わるのだろう?
そんな悩みや疑問にかんすい国内トップシェアのオリエンタル酵母がお答えします。

かんすいとは

かんすいの定義とはどのようなものですか?

中華麺類の製造に用いられるアルカリ剤で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸類のカリウム又はナトリウム塩のうち1種以上を含む物と定義されております。
出典:第10版食品添加物公定書(厚生労働省) (https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001208056.pdf

1930~40年代にかけて、苛性ソーダなどを使用した粗悪品が流通しており、中には発がん性物質を含むものもありました。そうした粗悪品の流通を防ぐため、中華麺の定義及びかんすいの定義が制定され、殊、かんすいについては国による認証制度を通じて品質を担保するようになりました。

かんすいを添加しない麺を、無かんすいラーメンといえるのですか?

かんすいを添加しない麺を中華めん、ラーメンとうたうことは原則としてできません(生めん類に関する公正競争規約違反)。
「中華めん」とは、小麦粉にかんすい(唐あくを含む) を加えて練り合わせた後、製めんしたものまたは製めんした後加工したものをいいます。

  • 違反に対する措置
  • 製品回収および警告
  • 警告に従わない場合は50万円以下の違約金
  • 生めん類公正取引協議会所属の場合は、除名処分

かんすいの取り扱いについて

粉末かんすいを取り扱うにあたって、どのようなリスクが考えられるでしょうか?

強アルカリであるため、直接触れると炎症を起こす可能性があります。また、水に溶かすと発熱します。

かんすいの溶解タンクの材質は、どのようなものを使用したらよいでしょうか?

かんすいのアルカリによって侵される材質のものがあるので、注意が必要です。

  • 侵されない材質  ステンレス、合成樹脂、陶磁器、ホーローなど
  • 侵される材質   アルミ製品、銅製品、真ちゅう、ブリキ・トタン、鉄製品、木製品など
  • かんすいに侵される材質の容器は危険ですので、絶対に使用しないでください。
  • 撹拌の際にも、アルミニウム、アルマイトなどの杓子は使用しないでください。
    またこれらの杓子を、かんすいや仕込水中に長時間浸けておきますと、金属成分が溶け出し、中毒を起こしたり、変色したりすることがありますのでご注意ください。
粉末かんすいを扱う際、ボーメ度という言葉を聞きますが、何でしょうか?

ボーメ度とは、比重計にて濃度を測った度数です。15℃の純水で液面と一致した点をゼロ度ボーメとし、10%の食塩水を10度ボーメと定義します。もともとは、うどんの仕込み水である食塩水の濃度を測るために使用されており、後にかんすいにも転用されるようになりました。10%食塩水=10度ボーメになりますが、かんすいは溶解度の関係から10%かんすいが10度ボーメになる訳ではありません。

粉末かんすいの溶解方法はどのようにすればよいのでしょうか?

① 容器に所定量の水を入れ、その中に粉末かんすいを少量ずつ、よくかき混ぜながら入れて溶かしてください。

 ※ 液が白濁しますが、しばらくかき混ぜているうちに、次第に澄んできます。

 ※一度に多く入れたり、攪拌しなかったりしますと、軽石状の結晶が生成します。一度結晶になると溶けにくいので注意が必要です。

② 使用する前日あるいはそれ以前に溶解しておくとよいです。

かんすいを入れ過ぎるとどうなりますか?また、少な過ぎた場合にはどうなりますか?

・過多…麺に苦みが出る。加熱時に麺が赤褐色になる
・不足…風味不足、弾力不足

中華めんとは

うどん、そば、中華めんの定義は異なると聞きますが、なぜこの定義が大切なのですか?

(生めん類の表示に関する公正競争規約より~)

生めん類の取引について行なう表示に関する事項を定めることにより、一般消費者の適正な商品選択を保護し、不当な顧客の誘引を防止し、もって公正な競争を確保するために「生めん類の表示に関する公正競争規約」があります。「生めん類の表示に関する公正競争規約」は、全国生めん類公正取引協議会で査定し、消費者庁長官及び公正取引委員会の承認を得たものです。
「生めん類」とは、小麦粉等の穀粉類を主原料として製めん、成形したもの及び製めん、成形した後、ゆで、蒸し、油揚げ、半生、又は冷凍等の行程を経たものをいい、「うどん」、「そば」、「中華めん」、「生スパゲッティ類」等について定義しています。

中華めんはなぜ黄色になるのですか?

小麦粉に含まれるフラボノイド色素が、かんすいのアルカリと反応して卵黄色に発色するためです。

小麦粉に含まれる色素

  水に対する溶解性 小麦粉中での色相 アルカリに対する反応
フラボノイド色素 可溶 無色 黄色に発色
カロチノイド色素 難溶 淡黄色 反応しない
中華めん特有の香りは、かんすい以外で作れますか?

中華めん独特の香りは、かんすいの存在下によってのみ起こります。ほかのアルカリ物質では香りの質が異なったものとなります。香りの成分は未解明な点もありますが、小麦粉中の蛋白質とかんすいのアルカリが反応して発生します。  

     
  • 他のアルカリ物質について:焼成カルシウム(卵殻、貝殻)
    焼成温度、焼成時間などによっても異なりますが、一般市販品は「かんすい」よりアルカリ量が多いのが普通です。同じアルカリ量で調整しても、収斂性は同じでも、麺の香りは保存するに従い異臭が認められます。またスープとの相性も悪くなります。これらは、カルシウム塩の存在が関与しているものと考えられます。
  •  

「オリコ飛竜」ブランド 製品紹介

ラーメンの伝統的な色とデザインをイメージした「オリコ飛竜」ブランドが目印です

粉末かんすい 赤

当社で最も代表的なかんすいです。多加水麺から低加水麺まで幅広く使用できます。

粉末かんすい 青

ソフトな食感に仕上がります。低加水麺、調理麺に適しています。