「天然酵母」について、平成19年に一般社団法人日本パン技術研究所より「天然酵母表示に関する見解」が発表されております。その中で、「天然酵母」とはイースト以外の多種多様な微生物、カビや乳酸菌などが果実や穀物に付着しそれらをそのまま発酵したパン種を指しているとしています。つまり、「天然酵母」とは正確に言えば、「天然発酵種、または天然パン種」と言い換えることができます。決して、パン種の中に存在する酵母そのものの呼称ではありません。どんな酵母も自然界に生息しています。イーストは自然界にあるパンの発酵に適した酵母のみを選抜し純粋培養したものです。イーストもパン種の中にいる酵母も同じ種の酵母です。また、一般社団法人日本パン技術研究所の報告書では、「天然」という表記が「人工」との対義語として誤解を与えるとして、天然パン種を「発酵種」や「自家培養発酵種」、「パン種」、「地域名や原料名+種」などの表現にするよう指針を発表しています。
加熱用のものは基本的に生食で使用しても問題ございません。
※一部製品に関しては、推奨しておりません。
中華麺類の製造に用いられるアルカリ剤で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸類のカリウム又はナトリウム塩のうち1種以上を含む物と定義されております。
出典:第10版食品添加物公定書(厚生労働省) (https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001208056.pdf)
1930~40年代にかけて、苛性ソーダなどを使用した粗悪品が流通しており、中には発がん性物質を含むものもありました。そうした粗悪品の流通を防ぐため、中華麺の定義及びかんすいの定義が制定され、殊、かんすいについては国による認証制度を通じて品質を担保するようになりました。
かんすいを添加しない麺を中華麺、ラーメンとうたうことは原則としてできません(生めん類に関する公正競争規約違反)。
「中華めん」とは、小麦粉にかんすい(唐あくを含む) を加えて練り合わせた後、製めんしたものまたは製めんした後加工したものをいいます。
※違反に対する措置
・製品回収および警告
・警告に従わない場合は50万円以下の違約金
・生めん類公正取引協議会所属の場合は、除名処分
かんすいのアルカリによって侵される材質のものがあるので、注意が必要です。
◎侵されない材質と侵される材質
侵されない材質 | 侵される材質 |
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ステンレス | アルミニウム・アルマイト |
合成樹脂 | 銅製品 |
陶磁器 | 真ちゅう |
ホーロー | ブリキ・トタン |
鉄製品 | |
木製品 |
※かんすいに侵される材質の容器は危険ですので、絶対に使用しないでください。
※撹拌の際にも、侵されるアルミニウム
・アルマイトなどの杓子は使用しないでください。
またこれらの杓子を、かんすいや仕込水中に長時間浸けておきますと、金属成分が溶け出し、中毒を起こしたり、変色したりすることがありますのでご注意ください。
①容器に所定量の水を入れ、その中に粉末かんすいを少量ずつ、よくかき混ぜながら入れて溶かしてください。
※液が白濁しますが、しばらくかき混ぜているうちに、次第に澄んできます。
※一度に多く入れたり、攪拌しなかったりしますと、軽石状の結晶が生成します。一度結晶になると溶けにくいので注意が必要です。
②使用する前日あるいはそれ以前に溶解しておくとよいです。
下記の通りです。
・過多…麺に苦みが出る。加熱時に麺が赤褐色になる
・不足…風味不足、弾力不足
小麦粉に含まれるフラボノイド色素が、かんすいのアルカリと反応して卵黄色に発色するためです。
◎小麦粉に含まれる色素
水に対する溶解性 | 小麦粉中での色相 | アルカリに対する反応 | |
---|---|---|---|
フラボノイド色素 | 可溶 | 無色 | 黄色に発色 |
カロチノイド色素 | 難溶 | 淡黄色 | 反応しない |
中華麺独特の香りは、かんすいの存在下によってのみ起こります。ほかのアルカリ物質では香りの質が異なったものとなります。香りの成分は未解明な点もありますが、小麦粉中の蛋白質とかんすいのアルカリが反応して発生します。
※他のアルカリ物質について:焼成カルシウム(卵殻、貝殻)
焼成温度、焼成時間などによっても異なりますが、一般市販品は「かんすい」よりアルカリ量が多いのが普通です。同じアルカリ量で調整しても、収斂性は同じでも、麺の香りは保存するに従い異臭が認められます。またスープとの相性も悪くなります。これらは、カルシウム塩の存在が関与しているものと考えられます。