ベーキングパウダーを知ることで、思い通りの製品クオリティが得られるように導く情報です。スポンジをはじめパウンドケーキやマフィン、クッキーなどの洋菓子・焼き菓子を中心に、製品にあったベーキングパウダーの特性や適正品をご案内します。
ふわふわ、サクサク、しっとり…
さまざまな口当たりに感じるのは、小麦粉に多くの原料を混ぜて加熱することにはじまります。膨らむ力を持つ原料として最初に使われたのは卵白。しかしその効果は職人によって違い、均一な製品づくりが難しいものでした。その後1840年以降にベーキングパウダーが研究され、安定した膨らみが得られることから、現在では幅広い菓子に活用されるようになりました。
何故お菓子を膨らませるのか。
ひとつの理由は外観です。菓子がふっくらと焼きあがった外観は、見るからにおいしそうに感じ、商品価値が高くなります。また気泡ができ多孔質な内相になることから火通りも良く、膨らんでいない製品に比べて消化も良いことから、日常的にお菓子が受け入れられたと考えられます。この原理を応用し、近年では幅広いお菓子に発展し、口当たり、味わい、そしておいしさが追求された製品が世界で食されるようになりました。
お菓子を膨らませる方法は、上記に触れた卵白以外にもあります。
ホイッピング:卵を撹拌する際に、空気を抱き込ませる(スポンジケーキなど)
クリーミング:砂糖の中に空気を混ぜ込ませる(パウンドケーキなど)
水が蒸気に変わる際の、容積の増大を利用(せんべいなど)
イーストの発酵によって生ずる炭酸ガスを利用(パンなど)
加熱分解、化学反応により発生する炭酸ガス、アンモニアガスを利用(洋菓子・焼き菓子全般)
化学的な作用=ベーキングパウダー(膨脹剤)の作用です。この原理をわかりやすく解説しながら品質の良い最終製品に導いてまいります。
ガス発生源である炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸水素アンモニウムのガス発生様式
※炭酸水素アンモニウムのベーキングパウダーは、アンモニアガスを発生することから、風味への影響が大きく、近年ではほとんど使われません。
近年では品質の向上と利便性を兼ね備えた膨張剤製剤の使用が主流です。
ベーキングパウダーのガス発生の速度は、製品の種類や配合に影響します。例えば均一に膨らませたい場合(スポンジケーキ、ロールケーキなど)やトップを出したい場合(マフィン、パウンドケーキなど)で必要な速度は変わってきます。このガス発生の遅速は、酸性剤の種類によって異なり、各酸性剤の反応性の強弱に関係しています。一般的な傾向として、低い温度で反応性が高いものが速効性、低いものが遅効性となります。
反応後のpHが酸性かアルカリ性かにより、そのベーキングパウダーのタイプが決まります。これは炭酸水素ナトリウム(または炭酸水素アンモニウム)の量と酸性剤のバランスが影響しており、製品の色調、食感に関係してきます。
洋菓子の種類によって、材料によるタネの状態、膨らみ方、作り方などさまざまです。その性質を捉えベーキングパウダーを選択することにより、品質の高い製品づくりが可能になります。具体的に作る製品に合わせてベーキングパウダーを選んでみましょう。
「最適なベーキングパウダー」を選定する場合、さらに品質を左右する3つのポイントを抑えることで、より価値の高い製品に仕上がります。
タネの安定性
寝かし工程がある場合、一般的に低温で反応性が低い、遅効性寄りのベーキングパウダーが有効的です。
色つき
酸性側:製品の色調が淡く仕上がり、焼き色を付けたくない場合に有効的です。
アルカリ性側:製品の色調が濃く、特にココアや黒糖は色鮮やかに仕上がります。
食感
アルカリ性であればしっとりと仕上がります。ガスの発生パターンによって、内相を細かくし、口溶けの向上にも有効的です。
焼き菓子の種類によって、材料によるタネの状態、膨らみ方、作り方などさまざまです。その性質を捉えベーキングパウダーを選択することにより、品質の高い製品づくりが可能になります。
「最適なベーキングパウダー」を選定する場合、さらに品質を左右する3つのポイントを抑えることで、より製品価値の高い製品に仕上がります。
タネの安定性
寝かし工程がある場合、一般的に低温で反応性が低い、遅効性寄りのベーキングパウダーが有効的です。
色つき
酸性側:製品の色調が淡く仕上がり、焼き色を付けたくない場合に有効的です。
アルカリ性側:製品の色調が濃く、特にココアや黒糖は色鮮やかに仕上がります。
食感
一般的に酸性側であれば、食感が軽くなり、アルカリ性側であればしっとりと仕上がります。
より価値の高い製品に仕上がる!
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